例えば、ハル先生のクラスの生徒は、体育祭までの1ヶ月、毎日朝練と放課後練があるとか。

クラスリレーの走順は生徒の体格や、50メートル走の結果から先生が何度も考えて何度も何度も走らされる。

ハル先生が気にいるまで。


とにかく、すべての競技、すべての生徒においてガチ。

個人特訓なんていうのもあるくらい。



去年ハル先生のクラスだった子たちは、最初のうちは喜んでこなしていたものの、

体育祭が終わる頃には、軽く全員ハル先生のことが嫌いになっていた。



そしてその、ハル先生のわがままに1番付き合わされるのが、体育祭実行委員…というわけ。





「だれか、立候補者はいない?」






満面の笑みで教壇に立っているハル先生は、自分のクラスの体育祭実行委員が1ヶ月半地獄のフル稼働をする係、なんて呼ばれているのを知らなそう。


当たり前だけど、立候補者はゼロ。