そんな私の心情を知ってか知らずか、しーちゃんの目は心なしかギラギラしている気がする……
「だって普通、本当に好きだったら、ほかの女と話してるだけでムカムカするし、好きな人のいいところなんて独り占めしたいって思うものだよ!?」
ここまで一気に捲し立てて、今はすーはーすーはー深呼吸。
対する私はしーちゃんもそんなに人を好きになったことあるんだなぁ、なんて呑気に考えていた。
しーちゃんみたいに綺麗な女の子の彼氏というポジションを狙っている人はこのクラスにもきっといると思う。
現にしーちゃんが昼休みや放課後などに呼び出されているのを何度もこの目で目撃した。
しーちゃんに告白しているその人たちも、しーちゃんがほかの男と話してるとムカムカしたりしてるのかな?
「しーちゃん、あのね、私は嫌じゃないわけではないよ」
「うん?」
「神田くんがほかの女の子と話してたら、ちょっとは嫌だなって思うよ?…業務連絡だったとしても…」
私は毎日こんなに話しかけてるのに、少なく見積もって8割は無視されてる。
返事してくれても「うるさい」「だまって」とか、拒絶する言葉ばっかり。
もしも神田くんが私以外の女の子に拒絶以外の言葉をかけたら、苦しくて、苦しすぎて、胸が詰まる。

