Aoi side







「要くん…じゃないや、葵くん。

朝だよ、遅刻するよ。」





最近、僕の思考の9割を占める愛しい人の「名前呼び」で目を覚ます。




が、




視界曇ってね…?


てか、身体だるくね…?




その違和感に、起き上がれずにいた。






熱だから、で許されるとは思わないけど。




光璃がいないと不安だった。




気がついたら体温計やら薬やらを買いに行くであろう光璃の指を握っていた。





「葵くん?」



「いか…な、いで…」





「んー?」





あぁ、だめだ。安心する。





最初は、隣にいてくれるだけでよかったはずなのに。





君が欲しい…っ。





「、み…が、ほしぃ…」




「え?何が欲しい?」




「、み…」



「え?」




「………」






あーあ、いつもの悪いくせ。




また気がつくと意識がなかった。






「すき…」







意識を手放す前に、小さく、でも確かに聞こえた''すき''





ねぇ、光璃。





俺じゃないの?