俺は闇の中にいた。 
 どこにいって何処をみても真っ黒で、 光なんてあるはずもなかった。 誰にも頼らず、 1人で抱え込んで、 ふさぎ込んで、 バカみたいに平気な振りして、 いつだって仮面を被ったままだった。 
 俺は心休める場所を探し求めていた。
 
 ある日俺は光を見つけた。 
 最初は戸惑って、 でも離せなくて、 初めて失いたくないと思った。 仮面を被っていた毎日が嘘だと思えるほど、 それは俺の世界を明るく照らしてくれる温かい物だった。 そして、 とてもはかなくて、 消えてしまいそうな光。俺は命を懸けてすべての物から守ろうとした。 
 
 守ると誓った。 守りたかった。
 
 唐突に光が消える。 辺りが漆黒に戻る。 1人ぽつんと残される。 
 もがいても、 もがいてもぬかるみにはまっていくみたいにどんどん闇が深くなり、 その暗闇から抜け出すことは出来なかった。 感じていたぬくもりは消え、 変わりに大きくあいた穴に風が吹き荒れる。 嫌気がさして自暴自棄になった。 
 そんな俺が探して、 探して、 やっと見つけたのは、 光の残像だった。 ほんのり温かい残像は僕の心の穴を埋めるきっかけとなった。 
 
 ずっと好きだった。 
 光はなくなったけど、 光の残像は何があっても守り抜いてみせるよ。 
 だから、 君はずっと笑ってて。