でも、やっぱり……


彩ちゃんが作った味は出せなかった。



「頑張ってくれてありがとな。」


京ちゃんの手が伸びてきて、さっきみたいに私の頭を撫でる。



「うん……」


「ほら、あーんしろよ。」


「あーん。」



京ちゃんのチーズケーキが刺さったフォークが私の口へと近づいてくる。


けど、チーズケーキはいつになっても口の中には入ってこなかった。