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ぱぱっと食べ終わって、お昼休みはあと5分。

『あ、先輩!お昼一緒に食べてくださってありがとうございました!』

ぺこりとお辞儀をして屋上から出ようと身を翻すと、不意にぎゅっと腕を掴まれた。


『…先輩?』



「………教室まで送ってく。」



私の返事も聞かずに、腕を掴んだままどんどん先へ行く先輩。


いつの間にか先輩の手は私の腕から手へと移り、恋人繋ぎになっていた。
必然的に先輩との距離は縮まり、肩と肩が触れ合う。


顔が真っ赤になっている私とは反対に涼しそうな顔をする先輩を見て、距離の短さを嬉しく思う反面、自分だけ舞い上がっている事に対し悲しさがこみ上げていた。