ドンッと鈍い音がして床がピリピリと揺れた。


今度は何?


「もう少しで出口だから落ち着いて!」


音の方を見ると、出口付近でさっきの女の人が腰を抜かしていた。


その先には、濃いピンクのキラキラしたワンピースを来た骸骨が真っ赤な椅子に座っているという異質な光景があった。


ほとんど抜け落ちた黒髪には、赤いリボンまで結んでいる。


カクカクした骨の手を上品に重ねて膝に置く姿は、可愛らしくも見える。



そして、破けても汚れてもいない服から出ている骨の部分は、隅々まで真っ白だ。



おそらく“彼女”であったであろうそれは、このお化け屋敷の住人の誰よりも美しく、誰よりも恐ろしかった。




身長は、あの吊り下げられている骸骨よりも一回り小さいと思う。