「サクラ返せないでしょ?なら生かしておく意味はないね」


そう言って石橋くんは鉄パイプを振り上げた。


きっとそれであたしの横で寝てる藤崎先生を殴ったのね。


だって真っ赤な血が付いている。



「ははっ、やっとみんな死ぬんだよ、サクラ、良かったな!パパも嬉しいよ!!」


骸骨を抱いた男がそれに向かっていった。



やっぱりあの骸骨は、サクラだったんだ。





――やめて!!



サクラの悲痛な声が聞こえる。

あの、幼き日の鮮明な映像が流れ込んできた。



何度も何度も叫ぶんだ。



「やめて」と。


あの日はあたしたちに向かって言った。


でも、今は……何のために叫んでいるの?