息を吸えば、生ゴミのような臭いが空気と一緒に入ってきた。

その臭いを漂わしているのは多分、あたしだろう。


うつ伏せに倒れているから、息苦しいはずなのに全然そんなことない。


どうやら、今のあたしに呼吸はあまり必要ないみたい。



体は骨が抜けてしまったように動かない。

頭を動かすことも出来ないから、唯一機能する聴覚を研ぎ澄ませた。


閉ざされたこの空間の外側からは、はしゃぐような声やゴーっという轟音、賑やかなメロディが聞こえてくる。



そうか、ここは……