あんな先生の言うことなんか聞くわけないじゃん! 部活が終わって、私は先生から呼び出されていたのを無視した。 先生に見つかる前に帰らなきゃ。 私は、早く帰ろうと、げた箱へ走った。 靴をげた箱から出そうとしたそのとき… 後ろから私の名前を呼んだ人がいた。 低くて、聞き慣れた声。 増田先生だ。 名前を呼ばれたのも、聞こえないフリをして、上靴から靴へ、いそいそと履き替えた。