梅雨の終わりかけたある日友人の一人が僕を訪ねてきた。

「真、預かってほしいものがあるんだ。」

そういうと友人は僕にある物を差し出した。それは三匹の猿の彫刻だった。

いいわすれていたが僕の名前は橘 真(たちばなまこと)という。
見たところ普通の置物でいわゆる、みざる、いわざる、きかざるというやつだ。