「百合ー...って、お前...!?」 玄関から入ってきた兄はキッチンでだらしなく座り込む私を見るとすぐに目を丸くした。 瞼が重たい中、兄を視界に入れるとおかえり、と告げたいはずの声帯は何も役目を成さずにけほけほ、と乾いた咳しか出なかった。 「お前、何やってんだ!」 急いで駆け寄ってくる二つの足音。 ごめんね、なんて思いながら静かに目を閉じた。