…………漸く、この時が来た。

俺は目の前の綺麗な建物を見上げる。

遂に見つけたという達成感と復讐心に取り憑かれた心がめらめらと燃え上がっていた。

俺は絶対に許さない。

なにがなんでも、なんとしてでも必ず見つけ出して見せる。

その為ならどんな汚いことだってする。

どんな悪いことだってしてやる。

───俺はもう、普通の生活には戻れないのだから。

「……待ってろ。美姫。真姫」

独り言を呟きながら建物の中に一歩踏み出した。