きっと2人は恋をする

「なるほどね。あたしが遅いから迎えに来たってことか。心配させてごめん」

ゆっきーは軽く頭を下げ、顔を上げると少し微笑んでいた。

「でも雪ちゃんが無事で良かった……」

「そうだよ、ゆきちゃんが心配で心配で私も乗り出そうかと思ったんだから〜!!」

まーちゃんもハルも心配してた。ハルは本当に途中参加してくるんじゃなくて怖かったし。

「まぁ、雪も無事だったって事でどこか寄って帰るか!!」

なっちゃんの一言で皆は下駄箱に移動し始めた。

「それにしても夏樹君。今日は何処に行こうか?私は雑貨屋さんがいいな」

まーちゃんは雑貨屋か。雑貨屋に1票。

「良いんじゃない?あたしも栞欲しいんだよね」

ゆっきーも雑貨屋ね。雑貨屋に2票。

「えー、私は新しく出来たカフェが良いんだけど。ほら、パンケーキが美味しいっていう…」

「はぁ?どっちも俺ら男子がいにくい場所じゃん!!せめて本屋にしろよ」

ハルはカフェ。カフェに1票。んで、なっちゃんは本屋と。本屋に1票。あ、俺も本屋が良いから本屋に2票。

「んで、つーくんは雑貨屋と本屋のどっちに行きたい?」

「なんで俺は選択なんだよ!!」

「だって雑貨屋と本屋がどっちも2票ずつなんだもん。どっちか選んだ方が早いじゃん」

「くっそー、俺は公園で充分だったのによ」

つーくんが頭を抱えて悩み始めた。まぁ、大いに悩みたまえ。

「じゃあ、俺も雑貨屋だな!!真昼が行きたいって言ってるし」

「翼君…」

「お前、何でだよ!!居にくいだろ!!」

「俺はお前らより真昼の方が大事に決まってんだろ、バーカ」

……なんかムカつくけどいいや。ここで突っかかるほど俺は子供じゃない。

「じゃあ、雑貨屋に行こうか」

俺は皆に合図をして玄関を後にした。

「ふーん、雑貨屋かぁ。それよりだったらアタシの家に来いよ」

後にするはずだった。あの人に呼び止められるまでは。

「あ、梓先輩だ!!お疲れ様です」

「よぉ、小春。お疲れ」

この人は木下梓(キノシタ アズサ)先輩。俺達の一つ上の3年生の先輩だ。

「んで、木下さん。どうしたんですか?家に来ないかなんて」

「いやぁ、アタシのおばあちゃんがアンタ達に会いたいっていうから今度連れてくるって約束しちゃったんだよね。ほら、アタシおばあちゃんっ子だから逆らえなくて……」

あずちゃん先輩は祖父母との3人暮らしで生活している。両親は海外に出張中。忙しいんだって。

「んで皆、どうする?俺は別にあずちゃん先輩の家に言ってもいいけど……」

「あたしは大丈夫。別に雑貨屋は今度でいいし」

「あ、私も。雑貨屋は今度雪ちゃんと一緒に行く」

「俺も大丈夫、と言うより雑貨屋じゃないなら別に問題ねぇよ」

そんな感じでハルもつーくんも賛成し、あずちゃん先輩の家に行くことになった。