彼が私の心臓のパーツを探しに行ってからすでに1日が経つ

私は彼が帰ってくるのを彼の家だという簡易ハウスで待っていた


簡易ハウスはかなり前に作られたものでキャンプの際にもってこいな便利グッズ

小さい箱のスイッチを押し、5分待てば家ができるもので

地下の水源から水を引いているので水は出るし、太陽光で電気は通る





なかなか帰って来ない

「ただいま」

あ、帰ってきた

「遅くなってごめんね」

何も持っていないところを見ると何も得られなかったようだ

「いいの、気にしていないわ」

「ご飯は食べた?」

「いいえ」

「じゃあ何か作るよ」

そういって連れていかれたのは温室だった

「僕が植えたんだ。水なんてないと思ってたけどこの地下奥深くにあるおかげでこうして僕も野菜も生きてる。すごいと思わない?」

「さあ…」

「うん、まあいいや。」


出来上がったのは肉じゃがと呼ばれるものだった

「…もしかして、食べたことない?」

「ええ、初めて見た」

「そっか、食べてみてよ。美味しいよ?」


そういわれて、一口運んでみた

するとなんだか胸が熱くなってしまった


「これがおいしい…?…それともオーバーヒート?」

胸に手を当てて首をかしげている私を笑ってた

「ふふ、それがおいしいだよ」

まるで赤子の世話をする親のように

「美味しい…」

初めて味わった感情だった