今日も世界は平和である。

背中にじんわり汗をかきはじめるはずの初夏

そんなことこの世界にはない

「お前…俺のこと好き…なのか…」

たどたどしく、頬を赤らめる男子が1人

「…うん、そうなの…」

たどたどしく、頬を赤らめた女子が1人

この世界は両思いになるしか術がない

片思いなんてもの存在しないのである

「お、俺もお前のことが好きでした!」


今日も世界は平和である

秘めた想いなんてもの存在しないのだ

ましてや、1人の女子を取り合うなんてこともう何百年と昔のことだ