大輝と菫の事実を知った今、わたしはこれから、どんな顔して大輝に会えばいいのか分からなくなった


しかも、その事を知っているのは悠太とわたししかいないわけで…
相談する人も悠太以外いなかった









「佐藤、おはよ」

「…おはよ」

佐藤だって、菫の事は菫って呼ぶくせに

慣れたから、佐藤なんじゃなくて、好きじゃないから佐藤なんでしょ??


はぁ、辛い。苦しい。

こんな所いたくない。



「……佐藤ってば!」

「…ん、なに」

「ずっと呼んでんのになんで気づかないんだよ」

「なに」

「今日お前変だぞ
どうしたんだよ」


失恋したからなんて言えるわけない

菫に話しかければいいじゃんって何度言いそうになったか…


それでも、


「なんでもない」


そう答えることでせいいっぱいだった








「香音!」

「はーい!」

あの大好きな笑顔ののんちゃんが来た

のんちゃんにはバレないようにしなきゃいけないのが1番辛い

「今日の、給食はなんでしょー??」

「んー、ソフト麺!」

「でしょうね、火曜日だよ??笑」

「あ、そっか笑
うーん、味噌ラーメン!」

「お!…ちがーう!」

「んー、じゃあわかめうどん!」

「せいかーい!」

「やったー!」


今日、1番嬉しいことと言ったら、こんな事だ

わかめうどんが当たったこと

そこまで落ちこぼれたのか、わたしは…

でも、のんちゃんには、あの事バレないで入れそうで安心した