テンパるあたしのことなんか気にする様子もなくただ無言で足早に足を進める彼。
そんな彼にあたしは必死についていくことしか出来なかった。
「ど、どこに行くの!?」
見慣れた景色になってきたから尋ねた。
だって…あたしの間違いじゃなかったら……ここらへんって……
「俺ん家」
や、やっぱり…!!
何回かお邪魔させてもらったことがある創真の家。
家といってもマンションでそこで彼は今だけ一人暮らしをしている。
両親は一週間前から旅行にいっていて帰ってくるのは来週だそうだ。
ってことは…ほんとにふたりきりになるの!?
「え…!無理だよ…!!」
そんなの恥ずかしすぎて…どうにかなりそうだよ!
いつもご両親がいるからそこまで恥ずかしくなかったけど……。
「…今日は邪魔者がいないからちょうどいい」
「じ、邪魔者!?」
そんなのいつもいたっけ!?
振り返ってみるけど、どんなに考えても邪魔者なんていなかったように思える。
「今日はたっぷりあんたを堪能する日」
「な、なにそれ…!?」
そんな日なんてないし!
しかも、なんか今日の創真は甘さがあるような気がするんだけど…??



