「ね!創真!
放課後、会議室行かなきゃいけないの覚えておいてよ!」
頭が良くて記憶力も抜群の創真に頼んでおけば大丈夫だと思う。
なのに……
「……」
「ちょっと!無視しないでよ!」
「……」
なんでフルシカトするの…!?
いつもは『うん』とか一言でも返してくれるのに。
視線はずっとスマホに向いたままだ。
ムカついて創真の手からスマホを奪うとやっと彼はあたしに視線を向けた。
「無視しないでよ!頼み事してるのに!」
「……自分で覚えときなよ」
それだけいうと、スマホを返せとでもいうように右手をあたしの方へ差し出してきた。
誰が返すもんですか!と思って返さないでいると創真は諦めたのか右手を引っ込めて机に頬杖をつきながらグラウンドを見始めた。