「俺をあんたでいっぱいにさせて?」



再び目を細めて優しく笑う彼。


でも、サラサラな黒髪の前髪から見える瞳はしっかりとあたしを捉えていていとも簡単にズッキュンと心を撃ち抜かれた。



「…いいよ。あたしでいっぱいにさせてあげる」



うぅ…恥ずかしい。
いつもはこんなことあんまり言わないから。


でも、あたしのことで創真の頭の中がいっぱいになればいいと思っているのは本当のこと。


だって、彼女なんだもん。
それぐらい思ってもバチは当たらないと思うし。



「それって……襲えって言ってんの?」


「へっ…!?お、おそ、襲う…!?」



どうしてそうなるの…!?
あたし、なんか変なこと言った!?


それに……


襲う、なんて言われると思ってないじゃん。
だって普段から「好き」とか「大好き」なんて言ってくれないクールボーイなんだから。