「……ちょっと声大きい。
あんたのうるさい声が頭に響く」
「ご、ごめんなさい……」
「やけに素直」
「いつも素直だもん!」
「それはどうかな?」
余裕そうに笑う創真は本当にひどい人だ。
こんなにあたしの心をかき乱しているというのに。
「もうっ…!いいもんね!
あたしは布団敷いて寝るから早く離してよ!」
本当はずっとこのまま彼の腕に包まれていたいと思っているのに口は思っているようには動かない。
「忘れたの?
今日はあんたをたっぷり堪能する日だってこと」
「…え?」
「さっきも言ったけど、
俺まだ全然あんたのこと足りてないから。
100%…いや、それ以上まで満たさせてよ」
ふわっ、と笑った創真の笑顔は最強だ。
笑ったらクールな彼からとても優しそうな雰囲気が出てくるんだ。
ギャップってやつなのかな?
とにかく、もう毎回カッコよすぎて鼻血を出してキュン死しそうだよ。
普段の創真も普通にカッコイイから好きなんだけどね。
騒ぎ出す鼓動の抑え方をあたしは知らないから
ドクンドクンとどんどん高鳴っていく。



