ああ、もう十分だ。 とてつもない幸せがあたしの中に押し寄せる。 「んっ…あたしも…」 「うん」 “うん”なんて素っ気ないのにあたしはなんとも思わない。 だって、幸せなんだもん。 いま、目の前に創真がいてあたしの名前を呼んで好きって言ってくれているんだもん。 大好きな気持ちが溢れ出てくる。 この想いはもう止められそうにないよ。 少しの間、唇を重ねていたあたしたち。 だけどふとしたときに唇が離れた…いや、創真が離れたんだ。 不安げな顔して見つめるけど彼は無表情。