「あの…嫌とかじゃないの……」
「……」
「ただ、恥ずかしいだけで…」
どんなに彼に話しかけても無視。
怒っているのかな?
拒否したわけじゃないということは
分かってもらいたんだけどな。
「ねぇ、創真」
ベッドに寝転がってマンガに夢中の創真はいっさいあたしに興味を示してくれず、マンガに視線を向けたまま。
「ほんとうるさいな。
そんなの最初から分かってるっつーの」
「へっ…!?」
マンガをベッドのうえに乱暴に置くとあたしの首の後ろに手を回して“もう逃さない”とでもいうように自分のすっぺらい唇をあたしの唇に押し付けた。
「んんっ…」
「……好きだよ、芽依(めい)」
唇が離れたその一瞬で
そっと呟かれたあたしの名前と欲しい言葉。



