【完】あんたは俺だけのもの。




「いつもはそこでも今日は……ダメ」



サラサラな黒髪から覗く黒目がちな切れ長で綺麗な瞳があたしのことをしっかりと捉えて離さない。


そのせいで、あたしの心拍数はどんどん上がっていく。



「じゃあ、どこ?勉強机の椅子とか?」


「………ここ」


「ええっ…!?」



彼が自分の膝の上をトントンと叩いてあたしにアピールしてくる。


え…!?創真の膝の上に座れってこと!?
そんなの無理無理…!!!
恥ずかしくて顔から火が出ちゃうよ!!!



「無理無理…!!」


左右に首を勢いよく振りながらそういうと彼はまた不機嫌そうな表情を浮かべた。



「…あっそ」


呆れたように本棚にあったマンガに手を伸ばしてあたしから目を逸らした。