「陽向くん...」


グラウンドを見て、そう呟く声は誰にも届かず消えていく。



少しでも近く陽向君を見たくて、窓の鍵に手をかける。


__びゅうっ



心地の良い涼しい風が私を追い抜かして、吹いていく。


窓越しでは感じられない、キラキラとした日の光が陽向くんを照らしていって


私の頬は熱を帯びていく__