「…え?吏玖も今日誕生日なの?」
モールへやってきた私達、
『17歳のな。だからプレゼント買お思て。』
ニカッと笑った将希。
『…ん?吏玖も?』
なにか引っかかったような将希、
「……あー、翔もね、誕生日なんだ。」
私が言うと、
『…そうなんや。……付き合ってたん?』
流れるように聞かれた言葉に、
私はすぐに答えられなかった。
「……え?翔と?」
『おう。』
将希の顔からは何を考えてるのか全く読めない。
「……どうだろ。」
前に、翔に言われた事がある。
ーー阿実はもうなんか家族って感じだよな。
好き、とか彼女になりたい、とか思った事もなかったけど、
翔と私は幼い頃からずっと一緒で、
翔の両親は早くに事故で亡くなってたから、
私のおばあちゃんちで共に育った。
『…なんやそれ。』
将希が笑ったから、
私も笑った。
