『……てめぇ』
肩で息をする悠雅がそこにいた。
堪えきれずに溢れた私の涙を見ると、
『…おいリュウ、のこのこ出てきやがって何のつもりや?』
将希がそう言う。
「……なんで、」
私を探してたの?
『…やっぱりな。』
リュウが一言。
『…こんな近くでようやってくれたな?』
将希の威圧するような声に、
私は肩を竦める。
こんな将希は見た事ない。
悠雅も威嚇するようにリュウを睨みつけている。
『…いやいや、今日は阿実にひと目会いたくて、それに確かめたい事もあったし。』
殺気をもろともせず話すリュウ。
『……俺が囲ってるのを確認しに、か?』
悠雅の言ってる意味が分からずにいる私、
『まぁ、だいたい予想はついてたんすけどね、一応。』
伝えたい事も伝えられたし、今日はもう帰りますよ。
そう言うとリュウは部屋を後にする。
千凪も2人に目をやると、
リュウを追った。
