「……あんたが翔をっ、」
これ以上ないぐらい睨みつける。
『…そろそろ場所を変えた方が。』
千凪の言葉。
『………いや、今日はこいつが目的じゃねぇから。』
探してたリュウが目の前にいるのに、
悔しくて泣く事しかできない。
目の前のリュウと千凪。
私が武器を持ってたとしても、
敵わないだろう。
それ程に2人には余裕がある。
私を攫った理由ってなんなの。
『………阿実、ひとつ教えといてやる。』
リュウが私に、言い放つ言葉は、
『…龍はお前の事こう言ってたよ、』
『阿実には償いきれない。何があっても騙し通す、ってな。』
なんて残酷なんだろう。
