「……ごめん、荷物まで持ってもらっちゃって。」
スーパーで色々買いすぎてしまった。
入口で壱月とばったり会って、
そのまま買い物に付き合ってもらって、
『あ、全然大丈夫すよ?むしろ元気そうでなによりです。』
(壱月って見た目かなり悪そうなのに律儀だし優しいよなぁ。)
壱月に会えた事に顔が綻ぶ。
「壱月は悠雅の事知ってたんだね?」
『いや、知ってたっつうか…』
「……うん?」
『………知らない人がいないっつうか、』
「……あぁ、そうだったね。」
沙英にも言われたんだったな、この街で生活してて知らない方がおかしいって。
「……ここだよ。」
マンションを見上げる壱月。
『…あれ、ここって吏玖くんいますよね?』
「…壱月、吏玖も知ってるの?」
世間は狭いな、なんて思ってる私。
『え?……吏玖くん今の虎俄の頭っすよ。』
