「阿実、怖かったね?」
斉藤さんの話をしてる時、
沙英は顔を歪ませた。
「そんな事が起こってたなんて知らなくてびっくりだけど、悠雅さん達がいてくれてよかったよ本当。」
「……うん、本当助けてもらいっぱなしで申し訳ないんだけど、甘えちゃってる。」
苦痛と心配で歪む顔を見て、親身になってくれているのが痛いほど分かる。
(沙英には本当心配かけちゃったな。)
「……それはそうと、」
「……ん?」
「なんで龍さん、てか悠雅さんがそこまでしてくれてるの?」
それは私も知りたい。
「会ったばっかなんだよね?」
出会ったのは、
「……悠雅のバースデーの日かな?……将希に介抱されてそのまま部屋で寝かせてもらって……」
あれ?
そういえばなんでなんだろう。
「……うーん、普通体調悪そうとはいえ知らない女を家で休ませたりするかなぁ?」
言われてみればその通りだ。
「……なんでだろう。」
