「あの、聞いてもいい?」
高そうなスーツを脱ぐと雑にソファーへ放り投げる。
『……あぁ。』
それだけ言うと冷蔵庫からブラックの缶コーヒーを取り出す。
「……なんで色々してくれるの?」
『……なんで、か。』
タバコに火をつけながら、
『………俺がそうしたいから。』
「…………答えになってない。」
そんな事言われたら勘違いするじゃん。
『………変な心配すんなって。』
少しだけ笑うと、
私も少しだけ安心できた。
悠雅は私に何を求めてるのか分からないけど、
私は悠雅に任せておけばいいんだ、
そう思えた。
「…迷惑かけっぱなしだし、何かできる事あったら言ってね?」
『……なんかあったらな。』
ここでの生活が始まる。
