『……で、1人で帰したんか吏玖。』
「将希、私が勝手に帰ったの。」
『俺が煽ったから。』
ごめんね、
吏玖が謝る。
「なんで謝るの、吏玖は悪くないでしょ。」
将希は私と吏玖のやり取りを見ている。
「…てか将希夜まで帰らないんじゃなかったの?」
素朴な疑問。
『……あー、なんか阿実が絡まれてるって連絡入ったから探してたんよ。』
頭を掻きながら苦笑いの将希。
「…ご、ごめん。」
用事をすっぽかしちゃったんだろうと思うと申し訳なく思う。
『いや、夜にでも仕事してくるから平気やで?』
『…悠雅ももう帰ってるって。』
『……まぁ今日は金の回収だけやし問題ないんちゃう?』
「…みんな何者なの。」
私が聞くと、
『……悠雅は、まぁ、飲み屋の家賃回収とか色々やっとるんよ。俺はアイツの部下みたいなもんやね。』
「…そうなんだ、」
それだけじゃないのは、
将希の表情でなんとなく分かった。
「…ここにいても、迷惑かけると思うけど、よろしくお願いします。」
