『…まず、橘翔の事故の後に虎俄を抜けて姿消してたリュウだけど、我狼の頭になってた。阿実はここ(西区)でリュウを探してたんだよね?龍騎の元メンバーも探してた、それで悠雅がリュウって呼ばれてるから勘違いした。ここまで大丈夫?』
一気に話す吏玖。
「……あ、うん。」
私の返事を確認すると、
『…悠雅はリュウじゃないし、まぁ龍って呼ばれてるけど。阿実はここにいたら安全だから何も心配しなくていいよ。』
「……ん?ちょっと待って!」
なんかまとめられすぎてて全然分からない、
むしろ肝心なとこ抜けてたんじゃないか?
『………家に帰るのは危ないからしばらくここにいた方がいいと思うよ。』
サラッと怖い事を、
真顔で言う吏玖。
『……悠雅も将希も今日は夜まで帰んないからどっか行きたいなら俺に言って。』
スマホから視線をそらさずに言う。
「……家に帰ったら危険なの?」
『そう。』
「……しばらくここに住むって事?」
『そう。』
「無理だよ、急にそんな事言われても、」
『なら帰ってもいいけど。』
「……なら、帰る。」
『うん。』
あっさりと、
みんながいい人なのは分かるけど、
迷惑かけっぱなしだから。
部屋を出て、悠雅の家に戻ると帰り支度を始めた。
何者なんだってこの人達……
