私じゃないよ?
リュウの腕に自分の腕を絡ませる。
「リュウこんなとこで何してんのぉ?」
目をキラキラさせて上目遣いする女。
リュウは、視線も合わさずに口から煙を吐いた。
『…………遅ぇよ。』
私に投げかけたと分かったのは、
リュウが私と視線を合わせたから。
「えーこの子誰?久しぶりなんだから私にしてよぉー。」
明らかに不満げに私を見てくる。
リュウが初めてその女に視線を落とした。
「……だめ!」
咄嗟にそう言ってた。
『…………だって。』
リュウが冷たく言い放つけど、
私は、リュウを知りたいんだ。
この女にリュウを連れていかれては困る。
そう思っていた。
