「阿実(あみ)ーー!」
駅から出てきてすぐに、私を見つけて叫んでるのは、
「…沙英(さえ)、声がでかいって。」
「……で?泊まっちゃったの?」
驚きを隠せない様子の沙英。
そう、
彼らはかなり有名人だったのだ。
「昨日のイベントって言ったら龍さんのバースデーぐらいしかないもん!」
「……そうなんだ、全然知らなかったわ。」
「…知らない人の方が少ないって。てか将希さんてナンパとかするんだね?」
まぁ、ナンパってより私がふらついててただ声かけただけかもしれないけど。
沙英の言葉はまだまだ続く。
「でも、あの2人相当イケメンじゃない?」
「…確かに整ってたな。」
「…しかもペントハウス!」
帰る時に気づいた。
あの高層マンションの22階はやっぱり最上階で、
2部屋しかない。
リュウの家と、吏玖がいた部屋。
色々探ってみる必要がありそうだ。
