『………お前、名前は』 ハッとしたけど、 「………ユナ。」 なんとか返せた。 『……ユナ、またな。』 それだけ言うと玄関へ消えてった。 『ユナちゃん?て言うん?』 将希は癖なのか私の顔を覗きこむ。 相変わらずの整った顔に見入る。 「………ユナ、です。昨日はどうも。」 『ええよ、俺将希な!あ、敬語もなしで頼むわ!』 にっこり微笑む将希に、私もつられて微笑む。 『そうや、龍もおらんし、場所変えてちょっと話さへん?』 「え?」