目の前の男に昨日の、あのピリピリした緊張感なんてなかった。 見た目は冷たくて、怖そうなのに、 『……寝とけ。』 案外そんな事もないのかもしれない。 そんな事を考えている。 『おー、顔色良くなっとんな。』 ドアが開くのと同時に聞こえてきた声。 (あ、昨日の……) 『…勝手に入ってくんじゃねぇよ。』 私は将希に愛想笑いをしたけど、 頭の中では、 リュウって三文字が支配してた。