街から少し離れた場所にある大きな病院。 『……この事は将希しか知らねぇから。』 吏玖は知らないんだろう。 『組が絡んでるからな、アイツらにも言うなよ。』 アイツら、 壱月達の事。 「…………分かった。」 私がそう言うと、 受付もせずに入って行く。 病室棟を抜けて、 しばらく進むと、 特別室、 そう書かれた部屋の前で止まる。 『お疲れ様です。若。』 部屋の前にいる男が悠雅へ深く頭を下げる。