『将希何してんだ。』
吏玖は将希を見つけたらしく、
少し呆れた声でそう言った。
『あれ、なんか喚いてる。』
壱月が言う方を見ると、
吏玖が私を近くまで連れていった。
「吏玖っ、」
乱闘の渦の中にぐんぐん歩いていく吏玖。
でも、そこにいたのはさっき倉庫にいたみんなだった。
『吏玖さん、あとは総長だけっす。』
『てか将希さんがだいぶ遊んでてそれ見てるって感じだったんすけど。』
みんな服が血で赤く染まっているけど、
それが怖いけど、
倒れてるのは玄武とか言うチームの人だけで、
『吏玖、阿実の顔真っ青やで。』
振り返ると、
「将希!って血だらけ、」
近づいてくる将希の服に付いた血の匂いでゾッとした。
『久々に楽しめたわ~、って悠雅は何してんねん。』
将希は楽しそうにそう言うと、
『な、なんで龍がいるんだよっ!』
悠雅に殴られたのか座り込みながら口の端から血を流す男と、
それを見下す冷酷なまでに綺麗な顔の男。
『…………お前んとこのリュウに伝えとけ、借りは返すってな。』
そう言うと、
男に跨って殴ったのか、
男は黙った。
私は恐怖で両手で目を塞いでいた。
