「……どうしたの?」 遠くからバイクの音が聞こえる。 その音は、 だんだん近づいてきてる。 『……心配すんな、吏玖だ。』 音で分かるのか、 私を安心させるように、 『………阿実、俺はお前の影だ。』 言葉を理解するのに、 理解しきる前に、 『……橘は生きてる。』