しばらく進むと、 何台かのバイクに囲まれた車が見えた。 近づくと、 「…将希だ。」 私の声はもちろん悠雅には届いていないだろう。 車の横に並走すると、 こっちを向いた将希が手を降ってくる。 誰もヘルメットなんか被ってないから、 車の周りにいるのが、将希、壱月、叶汰だと分かる。 すると、突然スピードを上げる悠雅。 私は必死に掴まる事しかできない。 爆音から離れてしばらくすると、 スピードが落とされていく。 『……着いた。』