夜になって、将希と吏玖とご飯を食べた私は、
2201室に戻ってきた。
ーーガチャ
「…あ、おかえり?」
『……なんで疑問形なんだよ?』
「…帰ってきたの?」
悠雅は帰ってきても、すぐにまたでかけたりする。
『……今日はもう出かけねぇよ。』
相変わらずスーツを纏った悠雅は、
見惚れてしまう。
『…飯食った?』
「ちょっと前に食べたよ、悠雅は?」
食ってきた、それだけ言うと雑にスーツを脱ぎ捨てる。
(また…皺になるってば)
私はそれを拾い集めてキチンとソファーにかける。
『……貰った覚えねぇから。』
不意に言われた言葉に混乱する。
「…はい?」
何の事?
『風呂入る。』
悠雅がいたはずの方を見たまま、
考えたけど、
「…主語がないって。」
タバコに手を伸ばすと、
空箱だった。
