「将希ー、電話終わったの?」
少し離れた所にいる将希に歩み寄る。
『……ん?あぁ、終わったで。』
整った顔が向けられる、
「2時間ぐらいかかるって。」
吏玖の数珠と、私の数珠。
『な?俺のも彫ってあるやろ?』
「本当だ。……でもなんで辰?」
将希の数珠のひとつに"辰"と彫られてる。
「あ、辰年?…違うか、吏玖も辰年なわけないし。」
『……ま、そのうち分かるて。』
口角を上げて笑う将希は、不敵な笑み。
待ってる間、ファミレスでお茶をしてる私達。
『…阿実、借りてたマンションやけど、』
「…うん?」
『悠雅が金振り込んでるから、心配せんでええよ?』
「えっ!?」
気にはなってた。
仕事行ってないし、家賃とかどうしようかって。
『……提案なんやけど、』
そう言うと将希は話し始めた。
