階段をおりると、砂浜に出るそこは、最近悠雅が行き先に指定する場所。
ガードレールにもたれかかった悠雅は、
慣れたようにタバコに火を付ける。
海よりもっとずっと遠くを見とる。
『……あれ、あいつ龍騎のやつやんな?』
目を細めると、カップルらしき男と女が見えた。
男の方は、俺らと友好関係にある龍騎ってとこのやつ、
女は、
『……めっちゃ可愛い女連れとんな。』
この距離からでも分かる。
その子は、男と戯れながら笑っとった。
一目惚れやったんかな、
とにかく綺麗な顔立ちやってん、
笑うと可愛いんやけど、
俺のめっちゃタイプやってんか。
『……まさかその子が今俺の目の前におるなんてな。』
