「おい和人!どうしたんだよ急に!」

「あっ、ごめん、、、」

バタバタと後ろからかけてくる俊明と裕。


「ん?なんか顔色悪いぞ、体調悪いのか?しっかりしろよ未来の警察官さま〜」

「あはは、、、」

俊明が茶化してくるのにもそっけなく笑うことしかできないくらい、頭の中がごちゃごちゃしていた。



ノートに書かれていた名前には見覚えがあった。今まで嫌という程にみてきた名前だった。


ー今井 静凪ーいまい しずな


それは11年前の事件の被害者の名前。



俺が警察になろうと志すきっかけになった出来事は、それこそ11年前の少女誘拐.監禁事件だった。そんな小さい頃の事件を未だにしっかりと覚えているのは、おかしいと思われるかもしれない。だけど俺にとってその事件は忘れたくても忘れられない、今までの人生にとても関係のあることで、俺はどうしても、その事件の犯人を許すことができない。



なぜならそれが、

自分の父親だからだ。