「ちょっ… チョット!降ろしてよっ」

「嫌だ。やっと俺のものになったんだから少しくらい堪能させろ」

そのままギュッと少し苦しいくらいに抱きしめられる。

歳上の男性にこんな言葉は失礼だとは思うが、なんか千秋がたまらなく可愛い。

「麻美、ありがとう」

抱きしめられたまま千秋の声だけが聞こえた。

「こちらこそ…… 戻ってきてくれてありがとう。話してくれてありがとう。それと… お父さんのわがまま聞いてくれてありがとう。私とお父さんは幸せものだね?」