必然的な運命

「山崎さんって、本当何も知らないんだね? まっ、そのおかげで助かった部分はあるけどね」

桜木くんって、本当小馬鹿にしたがるよね?

「もうっ!ささっと説明してってば!」

イライラが沸点に達してしまい、自分でもびっくりするほどの大きな声が出てしまった。

「チッ、仕方ねぇな? 教えてやるよ。この手帳、お前のお父さんの手帳には、とある企業の極秘情報が書かれている。それを入手するのが俺の目的だ。お前の言っていた研究データは実際はどうでもいい。 俺にとっては二の次なんだよ」

早口で説明された内容に、未だハテナマークがいっぱいだ。

「お前のお父さんはたまたま見つけたんだろうよ。でもその情報を知られたと思った企業が俺に依頼してきた。だがお前お父さんは亡くなっていたから、ここまで辿り着くのが大変でな? やっと手帳だとあり付けたって訳だよ」