6月。
季節の移り変わりは早く、もう梅雨という嫌な時期。
「つい最近、年が明けた気がするのに。」
カフェの窓の外を眺めながらそうボソッと呟くと、向かいに座っている彼氏の史がくすりと笑う。

「なんか、言うことがおばさんになったよね」
史は冗談のつもりで言ったのだと思う…思いたいのだが、最近は冗談にも思えない。

「まぁ、私ももう28だし?アラサーだし?」
ついムキになってしまう。

そんな私の返答に対しても、史は、はは と軽く笑うだけ。
…そろそろ結婚とか、考えて欲しいのに。