………と、そんなことは今はどうでも良くて。
カリンがアカリ先輩に教えてもらうのなら、私は松本先輩に教えてもらわないと。
でも、自分から松本先輩に話しかけるのは、とても緊張する。
私は勇気を出して、先輩に近づく。
「あの……松本先輩……」
遠慮がちに先輩に話しかけると、「どうしたの?」と言って振り返る。
「ここ、どうやったら出来るか教えてほしいんです…どうやっても途中で詰まってしまうので」
緊張のせいか、胸がドキドキしている。
けれど、「わかった、じゃあ、今からとっておきの練習法を教えるよ」と言って、先輩がいつものような優しげな笑顔を見せると、私もなんだか安心できた。

