【2016年 2月中旬】





寒い冬の朝にしては珍しく、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。


今日は朝練がない日だから、ゆっくり起きられる。


一晩中暖房を付けっぱなしにしていた自分の部屋は快適だ。


私は起きる予定の時間が来るまで、音楽でも聴きながら待とう、と思い、部屋の机の上に置いてある音楽プレイヤーに手を伸ばす。


その時、ふと、その隣に無造作に置いてある、うさぎの柄のノートが目に留まった。


引退式の時に、アカリ先輩からプレゼントされたノート。貰ってから、もうかなりの時間が経った。


表紙に書いてある「部活日記 2015.8~」の文字は、私が書き足したものだ。


私はこのノートを貰ったその日のうちに、「部活日記」としてこれを使おう、と決めた。


日々の部活での練習内容や気づき、感想などをこのノートに書き留めておくことにしたのだ。


まあ、三日坊主の私だから、最近はこのノートも書き忘れてばっかりなんだけど。


私はノートをパラパラとめくって、最近書いた分の中身をざっと読み返してみた。